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地球社会統合科学府(地球社会統合科学専攻)の理念

我々が暮らす現代の世界は、様々な問題に直面しています。それは例えば気候変動、生物多様性の維持、エネルギー資源の管理、領土や宗教などをめぐる紛争、貧困、開発、都市化、政治制度の安定、感染症やテロ、越境犯罪などです。これらの問題の多くは、複数の要因が複雑に絡まりあっており、その根本的な原因の究明と、問題の解決のためには、単一の方法論ではなく複数の方法論を組み合わせた、統合的な学際性が必要とされます。地球社会統合科学府は、現代の世界が直面する諸課題の根源(root cause)を解明し、問題を解決へと導く研究者、もしくは実務家を養成することを目標としています。本学府では、以下に述べる三つの力を教育の中で涵養することにより、この目標を達成します。

  • (1) 問題の全体像を俯瞰する統合的学際性
    本学府は「統合的学際性」を備えた高度人材の養成を目的としています。そのために、学際的な研究方法の基礎を体系的に学べるカリキュラムや、問題関心に応じて自由に複数の専門分野を組み合わせて履修できる方式を備えています。また、専門分野の異なる複数の指導教員団による指導体制を整えており、幅広い観点から研究指導を実施し、統合的学際性の涵養を支援します。
  • (2) 問題の根源を見抜く高度な専門性
    「統合的学際性」の基礎となるのは、高度な専門性です。国連や世界銀行などの国際機関への就職要件を見ても、自分が得意とする専門領域を持っていることが求められています。また、現実社会の複雑な諸問題の根源を見抜くためにも、高度な専門性に裏打ちされた分析能力が必要となります。本学府では、地球科学、生物学、政治学、歴史学、考古学、文学、言語学、社会学、人類学、宗教学、国際関係論、経済学などを専門とする教員を備えており、研究者としても、また実務家としても活躍するうえで要求される専門性を身につけることができます。
  • (3) 多様な人々と協働するためのコミュニケーション能力、リーダーシップ
    実社会において、もっとも必要とされる能力、それは専門や歴史的・社会的背景、そしてものの考え方などが異なる人たちとの間で円滑にコミュニケーションをおこない、協働する力です。ここで言うコミュニケーション能力とは、自分の考えを他者にわかりやすく伝えるだけではなく、相手の伝えようとしていることを適切に理解する力の双方を指します。また、具体的な課題の解決のために専門の異なる人々を束ね、ゴールへと導いていくリーダーシップも必要となります。本学府では出身や専門、問題関心の異なる学生間での議論やディベートなどを通じて、このコミュニケーション能力を磨くほか、実務の世界で活躍できるリーダー育成のための特別なプログラムも用意しています。

    地球社会統合科学府は、現代の世界が直面する諸問題を研究者として、もしくは実務家として解決する意欲を持った方の受験を歓迎します。